日本の社会では、かつて「お客様は神様」といった迷言がありました。
私は世の中の言葉にはなんでも、いい意味と悪い意味があり、その汲み取り方によって異なる解釈ができると思っています。例えば、車はいい意味で言えば便利です。悪い意味で言えば人間を殺める武器にもなります。例えば、借金はいい意味で言えば信用です。借金できるということは、それだけ信用があるからです。悪い意味で言えば負債であることでしょう。
それでは「お客様は神様」に置き換えてこの視点で考えるとどうか。
「お客様は神様」をいい意味で考慮すると、シンプルにお客さんにサービスを提供する側(今回の場合だとショップ)にすれば、この考えをもとに様々なサービスの向上が実現できることでしょう。神様とは、少し極端な言い方とも思えますが、サービスというのはあくまでお客様に対してするもので、そのお客様の立場になって考えることは重要なことだと考えます。そして考えるだけではなく、その立場になってどうしたらより満足(カスタマーサティスファクション、つまり顧客満足)となるのか、それを日々追求していくことが、結局はそのショップの継続的な繁盛に繋がることだと考えられます。
(あるいは、あくまで「お客様は神様」と主張するのであれば、それと同時に「社員は神様」とも言える考え方です。お客様あっての商売なら、それは同時に社員がいてからこその商売とも言えるからですが、ここではそれに触れません)
次に、「お客様は神様」を悪い意味で考えた場合です。本来、この言葉は企業側の言葉であったのがいつしか日本の社会に浸透し、この言葉を消費者が用いるようになりました。その結果、「神様」となった「お客様」はモンスター化し、
「私は客だぞ!」
「お金払ってるんですけど!」
「誠意を見せろ!」
「なんでそんなに偉そうなの?」
といったセリフを吐いてショップ側に害を加えるようになりました。
さて、ここで一つ注釈をしておきます。当店KINGYOはタイ最大級の個人輸入代行ショップではありますが、その母体となるグループを見るとオンラインショップだけでも20店舗以上の運営、その他病院やクリニック(ドクター)、一般企業に卸売りをしています。平日は毎日数百件、年間では数十万件、創業以来では数百万件の手配をしてきた実績があります。人間100人もいれば100通りの人間がいて、10000人もいればその中には変な人も当然います。
近年、悪徳業者(ショップ)が取り沙汰される事がありますが、私の実感で言えば、その数より悪徳客、つまりモンスターカスタマーの方がはるかに多いと思います。何故ならば、悪徳ショップは自然淘汰され、信用を積み重ねることができず、継続運営ができないからです。一方、お客さんの方は自由気ままに色んなショップに害を加えられます。その代表的な仕組みが、ショップレビューでしょう。
いい意味でのレビューとはそのまま、そのショップのサービスや商品の感想などはそれが健全なものであるのなら参考になり得るものです。しかし、このシステムの悪い点を指摘するならば、レビュー投稿できるのはショップ側に対してのみ、という点です。ヤフオクのように双方にレビューができる公平な仕組みがすべてではありません。アマゾンでも楽天でも、そのレビュー投稿者が他にどんなレビューを書いているのか、を見ることはできますが、そのレビュー投稿者にショップ側が評価できるわけではないですし、そもそも消費者がレビュー投稿者の属性・内容を見る人など1%もいるのかどうか、疑わしいレベルです。つまり、最終的にはショップ側がこのお客さんからのレビューに甘んじて、結局は泣き寝入りするしかない現実があります。
なお、一つおもしろいことに、モンスターカスタマーの出没箇所には偏りがあることです。端的に言えば、KINGYOの顧客の皆さまにおかれましては、この傾向(モンスターカスタマー)は皆無です。だからこそこの「KINGYO掲示板」にてオープンできるのですが、とにかくKINGYOユーザーの皆さまには国際手配の実情をよくご理解いただいています。特にそれを感じたのは昨年、コロナの影響で数か月間、タイ発送がストップした時の事でありました。また、その期間以外にもKINGYOは2013年に創業以来、一貫して良いお客様に恵まれております。この点、誠にどうもありがとうございます。
それは置いておいて、兎に角も、上のような次第でショップ側が泣き寝入りするしかないケースが、(KINGYOショップ以外のグループ内の)他店舗にしばしば見られますので、それをこのコーナーでは紹介していきたいと思います。
その内容とは、どれも、
「本音を言いたいけれど、面倒だから」
言わないことばかりです。
重ねて言いますが、お客さんとしては多くの場合、1つのショップが相手でしょう。その人が例え同時に複数のショップを相手取って買い物して且つ理不尽な事を言ったとしてもせいぜい5店舗もいかないと思われます。一方、当方では1日に同時に数百人ものお客様と向き合っており、発送からお届けまで1-2週間かかることからも、同時に対峙しているお客様の数は1000人ではききません。その為に余計な言葉を言ってモンスターに噛みつかれて時間を失うよりもさっさと謝って終わらせて、その時間をどうせなら他のより多くの紳士淑女なお客様に費やしたいと考えるのは我々も人間である以上、自然な事かとも思えます。
それでは、普段はショップが言わない本音!をここに記していきたいと思います。そして、誠実に日々サービス提供をしている健全なオンラインショップの名誉が少しでも回復されますように、また、誹謗中傷が飛び交う異常な日本の社会が少しでも良くなりますように。
KINGYO