「海外」と聞くと華やかでなんかワクワクさせられるかも知れませんが、「旅行」と「住む」のでは全く異なってきます。例えば、旅行で色んな国をまわって「こんな国に住んでみたい!」なんてよくあることでしょうが、実際に住んでみて「こんなはずじゃなかった」なんて、よくある話です。ましてや、その国で仕事をする、なんてことになれば修羅を見ることになるかもしれません。それはなぜなら、我々が日本人なのだから・・・。
それでは題名に基づき、[タイ人と仕事をする時にやってはいけない8の事]を見ていきましょう。
※如才なきことと思いますが、あくまで「タイにいるタイ人」のお話となります。
その1 日本の“常識”でモノゴトを考える
当たり前ですが、ここはタイです。ここでは文化も違えば常識も違い、商慣習も違えば仕事のやり方も違い、人の生き方も違えば求めているもの、考え方、すべてにおいて日本とは変わってきます。「日本だったら~」なんてことを考えてもしょうがないですし、それを求めても筋違いなことは明白です。こんなこと、誰にでもわかっていることなんですが、現場に立つとこれがなかなか難しい。そんな時は初心に返り、日本の常識は一旦横に置いておきましょう。
その2 日本式に叱る
なにか問題があった時、日本では1時間説教、なんてのはごく普通にあることですが、そんなことをしていたら「もう、あなたとは仕事しない」と逃げられます。それが雇用関係ならすぐに辞めてしまうでしょうし、外注なら取引停止となることは避けられません。一方的に叱るのではなく、自分からやってくれるようにやる気やら能力を引き出すコーチングのやり方が肝要です。よく「タイ人は仕事しない、ダメだ」と言うような人を見かけますが、それはタイ人がダメなのではなく、コーチングができてないその人がダメなのです。
その3 人前で叱る
とは言っても、そうしたコーチングなり、注意なり、そうした話をしなければならない状況は毎日毎回の様に起こるでしょう。そんな時は人前ではなるべくしないようにしましょう。タイ人は意外にも誇りが高い人達で、人前で辱めを受けることはよく思いません。これは誰でもそうなんですが、これにある程度の適応性をもった現代の日本人とは違い、まだまだタイ人はこれを受ける器ができていなく、反発を導きます。ひどいと辞めた後に復讐でもって嫌がらせをしてくることも珍しくありません。コーチングする時には個室かどこか2人きりでお話しましょう。
その4 1から10まで説明して安心する
日本人は1を説明して10まで解る(←あくまで例えです、実際、10まで解るはずがありません)とかなんとか言いますが、タイ人は1から10まで説明しても解りません。なので、当然、その後の確認が必要となってきます。この確認も日本式ではダメです。タイ初心者によくありがちなのが、この確認を日本式にやることです。具体的に言えば、会うたび、もしくは毎日、要は四六時中しつように確認して追っていくこと。これでは、プレッシャーもしくはストレスを与えることになり、その内逃げられます。ここは、ポイントを抑えた感覚での適度な確認、また大事なことはタイ人らしいユーモアを取り入れた確認が肝要です。
その5 注文内容、指示内容を途中で変える
タイ人の人達の脳は基本的にシンプルな構造となっていますので、途中で「ここは〇〇に変更」、「パーツAはパーツBに変えて、使わなくなったパーツAはC部分に使用して」といったことになると混乱してしまってあらぬ事が起こらないとも限りません。なので、まずはこうしたことが起こらないように予防すること。具体的には、なるべく話を「今後変更することがない」までの状態にもっていってから、注文なり指示をすることです、なるべくです。次に、それでも変更内容が出てきたら、どんな内容でも図でもって説明し、それを書類やデータとして両者で記録として残していくことです。図にするやり方は、結構使えます。そうしないと、「言った言わない」の話になるか、「向こうの都合の良い勝手な解釈」で丸め込まれてしまい、ひどい場合はそれが今後も続いていくことにもなり兼ねません。
その6 一度に複数のことを依頼する
これも状況次第、そうしなければならないこともあるのは解ってますが、なるべくです。なるべく。要は複雑なことを依頼せずに、あくまでシンプルにやっていくことです。タイ人によくあるのが知ったかぶりや、軽い気持ちの「OK」「わかった」、というものです。それをもってこちらも安心し、後になって依頼内容と全然違う内容となって出来上がってしまい、それを糾すと、「そうゆう意味だったのか」で終わってしまいます。要は、「私はこう思ったんだよ」と解釈の違いで終わってしまうことも往々にして起こります。複雑なことをなるべくシンプルに伝えていくのも、あなたの大事な大事な役割のひとつです。
その7 タイ人を下に見下す
タイ人だからと言って、何故だかわかりませんが、はじめから見下してかかる人が中にはいます。こんなことは言うまでもないことですが、こんな事をしている人にいい仕事ができるわけがありません。
その8 真面目一本に仕事をする
あなたがもし日本人であるならば、日本人とタイ人の間の立場となることでしょう。日本人の超完璧主義とタイ人のサバーイサバーイ主義の板ばさみの状態は、生やさしいものではありません。はっきりと言いますが、毎日起こる問題のすべてにおいてバカ真面目に責任を取っていたら、自己嫌悪に陥り、その内自分が潰れます。だからと言って、そんなんで自殺してもつまりませんし、鬱になる必要もありません。ある程度、したたかで図太い精神、楽観主義でいくことは必要です。
まとめ
タイという国は台湾と共に世界の二大親日国と言われます。しかし、それと仕事では別です。もっと言えば、具体的に日本人と仕事をする、取引をする、となることは別の話しとなります。今、タイでは仕事においての日本人は、「納期短い」、「品質が異常に厳しい」、「価格はたたく」、「確認がいちいちうるさい」、「オーダー数量少ない」、といったネガティブイメージが出てきています。もちろん、人にもよりますが、あからさまに口にして「日本人とは仕事したくない」と言われたこともあります。タイ人からすれば、産業にもよりますが、私が携わってる業界でいくと、大体が一番のお客さんはアメリカです。まず、なにしろオーダー額が大きい。これが一番でしょう。オーダーがあれば必然とやる気も出し、言わないでも頑張ってやり出します。続いて、品質も日本に比べればアバウト、と言いますか、すべてにおいて日本ほどバカ厳しくない。
これを考えますと、見本にすべき仕事のやり方も自然と見えてくるかと思います。例えば、外注に依頼する形態となれば、リスクマネージメントとしても価格面を考慮することからもオーダーを分散していくのではなく、なるべく集中していくことです。つまり、オーダー実績を作ってその外注先よりの信頼をまず得ることが肝要です。分散すればするほどやる気も分散されるばかりか、各箇所で問題も分散され、それこそ修羅場を見ることでしょう。オーダー実績があれば、向こうからおのずと納期も守り、品質もキープし、ゆくゆくは色んなことを提案してくるまでにもなります。勿論ですが、ただ集中すればいいというものでもなく、要は持続的なオーダー実績があることがポイントです。
私の悪いクセで話がどんどん脱線してしまいますので、軸を元に戻します。今回の記事で言いますと、結局肝心なのは、1番最初と最後です。(※7番は当たり前すぎて除外)つまり、
・日本の“常識”でモノゴトを考える
・真面目一本に仕事をする
これをしなければ、おのずと道は開かれてくるものです。タイですでに成功している人は意識するしないは別として、この2点は最低限抑えているものです。以上、これからタイで、もしくはタイ企業と取引をされる方に参考になれば幸いです。
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