タイのタクシー運転手に対する6つの勘違い
さて、この問題の本質にさしかかってきました、この辺りです、大事なところは。我々地図を見る習慣のある日本人にとっては、「地図を読めない」とか言われても、「はい?」「何を言っているの?」といった感じだと思います。ここが、タクシーの運転手が誤解される大きなポイントその1。
2つ目は、タクシー運転手は大抵地方出身者。イサーンと呼ばれる東北をはじめ、田舎から出稼ぎに来る人、つまり道を知らない人がタクシーの運転手な点。しかも、これら運転手は地図を読めない。これ、致命的な重要なポイントが早速、ダブルで重なってきました。そんなんでよくタクシーの運転手が勤まるな?とお思いでしょうが、そこはまたタイの事情が次に来るんです。
気になる3つ目はタイの道路の作りです。タイの道路には枝分かれするように小道があって、その小道には番号が付いています。所謂ソイのことですね。ソイにもさらにソイで枝分かれしている場合もあります。ソイ自体に名前が付いているところもありますが、とにかくタクシーの運ちゃんは大通りとおおまかなエリアの名前さえ覚えていれば、後はソイの番号を追っていくだけで目的地まで着くことができるのです。合理的と言えば合理的なのですが、悲しいことにこのせいで「地図を見る」という習慣がなくなり、地図を見れる我々から見ると弊害もいくつか見られます。
その弊害とはまず、正確な距離感が解らないことです。正確な距離感が解らなければ、近道も解りません。タクシーの運転手にとっては、番号を追っていく行き方、という手段をもってずっと生きてきた人たちですから、それしか選択肢がありません。「お客様を1分でも早く目的地まで送らなければ」というサービス精神もなく、といいますか、番号のやり方しか手段がないのですから、そんなサービス精神があるはずもありません、これは、必然的にのお話です。一方、日本人はスマホでグーグルマップで追っていきます。そして少しでも最短距離から外れると「遠回りしやがったな」と思う。いや、我々日本人にとっては、そう思っても仕方のない事です。
4つ目は一通(一方通行)とUターンですね。タイで運転すればなお更、身にしみて解りますが、タイは一通が激しく多く、特に大きな道路では右側に行きたくても、かなり進んでUターンしないとダメな場合が多くあります。また、Uターン以外でも都心部では特に一通が入り組んでいます。これをグーグルマップで追っていこうとしても追いつきません。
5つ目のキーワードは、渋滞。タクシーの運転手は渋滞を極度に嫌がります。効率が悪い上に疲れるから。タクシーの運転手にとっては当然のことと言えば当然のことかも知れません。その為、言わずとも渋滞があるところは避けようとする習性を持ちます。
6つ目は、あんまり考えてない、という事です。たぶん、タイ人は日本人が考えているほど「あんまり考えてない」ということです。日本人が騒いでいるほどタイ人は「遠回りしてぼったくってやろう」とか「高額な値段をふっかけてやろう」などはあんまりやってきません。そりゃ、タイ社会でもたまには問題視されていることではあるので、中にはいるんでしょうが、少なくとも問題とすべきタクシーより、これら勘違いされている件数の方が多いことは間違いないでしょう。
以上の6点でした。この6つは観光客なら解るはずもなく、またタイに住んで2、3年レベルの駐在員の方でもここまでの本質はなかなか解らないかと思います。私もタイに来てはじめの2年、3年くらいは実は、このタイプで、ぼったくられたぼったくられた、と勝手に思っていましたが、今よくよく考えてみると、全部僕の思い過ごしだったことを知りました。誠に若気の至り、と言いますか、冷静に考えてみると、上記6つの要素のいずれかがいずれかの要素と重なり合って、「ぼったくられた!」と勘違いしてしまっていた。いや、タイ人を“勘違い”して失礼なことをしていた、という反省と自分の傲慢さを反省せざるを得ませんでした。
メーターを倒さないタクシーの攻略法
中には、メーターを倒さない、と言いますか出発してもメーター機のボタンを押さない人もいます。そういう時はタイ語が離せなくても、「メーター?」と聞いてみましょう。この場合、半分くらいの割合で単純に忘れているケース、もう半分はそれから値段を言ってくるケースと2つあります。メーターをすぐに押せば良し、値段も交渉成立したら良し、値段に納得が行かなかったらすぐに止めてもらいましょう。その場合、もちろん、発車してからそこまでの料金を支払う必要はありません。
昼間は特にやる必要もありませんが、渋滞が起る「夕方」頃、そして「繁華街」で乗車する際は、「行き先を告げて行ってくれるかどうか」を確認するのと同時に「メーターかどうか」も確認しておくといいでしょう。
>次回へ続く
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